2016/03/11

ガラスの特養

「なんや、小寺くん、エライ太って!」
16年ぶりに再会したクライアントの、16年ぶりの第一声。

やっぱり言われたか‥‥‥。
でもお変わりない元気な様子のクライアントに、気持ちがほころんだ。

今回、再びご縁があり、
社会福祉法人であるクライアントが次に開設する、
特別養護老人ホームのデザインを担当することに。

一日中、陽が差し込む明るい施設にしてほしい。
クライアントのその言葉に対し、
硝子と瓦と自然素材で構成する、
分かり良い簡潔なデザインと言うアイデアがすぐに浮かんだ。

しかし穏やかで牧歌的な風情漂う敷地を眺めつつ、
イメージと問題点が交差した。

硝子でさらされた身体を何をもって包み込むのか?
さらに滞在する心地よさをつくりだすには?
草庵の茶室のような薄暗さが安泰をうみだすのかも?

そうして悩んだ末のアイデア。
入居者へのいたわりを追い求めたデザイン、
働く若い人たちのモチベーションを上げるデザイン、
地域社会に分かり易く開かれたデザイン。
なにより日本人として、
花鳥風月、雪月風花、風流韻事を尽くせる棲家であること。
を、“熱く”プレゼンテ―ションした。

これから短期間で設計をまとめあげないといけない。
コストも自由を許さない。
だけど今回はベストなチームでプロジェクトが組まれている。
苦労はあるが苦痛は無い。
竣工の来春が今から待ち遠しい。


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